経営を効率化して運転資金を引き下げることは、多くの企業にとって業績アップにつながる最重要課題の一つですが、実際には口で言うほど簡単なことではありません。この点、運転資金を削減するために、まず行うべきことは何にいくらかかっているかということを正確に把握することです。事業分析をしっかり行って、必要以上に経費が掛かっている業務を洗い出したうえで、それを抑制していくことが重要となります。その際、コストには人件費や材料費、設備費などがありますが、なるべくであれば人件費に過度にメスを入れることは避けた方が良いでしょう。無駄な残業を行っている場合には、業務効率化を図って勤務時間内で終わらせるように促すべきですが、そうでなければ従業員のモチベーション低下につながりかねないためです。
人件費以外に運転資金の引き下げを目指す場合には、老朽化している設備を最新のものに入れ替えて業務効率化を図ったり、オペレーションフローを見直して製造工程における歩留まりを削減する取り組みを進めると言ったことが考えられます。しかし、それでも十分な効果が得られないという場合には、もう一歩踏み込んだ対応が必要となるかもしれません。例えば、特定の業務を丸ごとアウトソースするBPOと呼ばれる手法があります。これは、Business Process Outsourcingの略で、文字通り業務のすべてを第三者の企業などに委託して実施してもらうことです。委託料は掛かるものの、それによって余剰になった人員や設備などをカットすれば一気に運転資金を引き下げることが可能です。